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なぜハウスメーカー住宅の防水工事に対応できる業者は少ないのか?

ハウスメーカーで建てた住宅のメンテナンス時期を迎え、外壁塗装や屋上・バルコニー防水の見積もりを取ったところ、想像以上に高額で驚いたという方は少なくありません。

当社がご対応させていただくお客様からも、「ハウスメーカーの見積もりが予算を大きく超えていた」「ほかに施工できる会社を探している」というご相談を多くいただきます。

外壁塗装に対応している業者は比較的見つけやすい一方で、ハウスメーカー住宅の防水工事を安心して任せられる業者は、なかなか見つからないのが実情です。

その理由は、ハウスメーカー住宅の防水改修には、単に防水材を施工するだけではなく、メーカーごとの建物構造や既存防水、笠木、外壁、サッシ、ドレンなどの納まりまで理解する必要があるためです。

今回は、ハウスメーカー住宅の防水工事に対応できる業者が少ない理由と、業者選びで確認していただきたいポイントを、防水専門業者の視点から解説します。

 

外壁塗装と防水工事は一緒に行うのが理想

外壁塗装と屋上・バルコニー防水は、可能であれば同じ時期にまとめて行うのが理想です。

外壁と防水を一緒に施工することで、建物全体の雨仕舞いを考えた工事ができ、外壁と防水の取り合い部分についても責任範囲を明確にしやすくなります。また、足場を共用できる建物であれば、工事費用を抑えられる可能性もあります。

しかし、実際には築15年頃に外壁塗装だけを行い、築20年を過ぎてから屋上やバルコニーの防水工事を検討される方も少なくありません。

外壁塗装と防水工事の時期が分かれた場合、すでに施工されている外壁塗装と、新しく施工する防水層の接続部分をどのように納めるかが非常に重要です。

バルコニーの腰壁は塗装業者、床面と立上りは防水業者というように施工範囲が分かれていると、雨漏りが発生した際に原因や責任範囲が曖昧になってしまうこともあります。

塗装と防水は別の専門工事ですが、雨水の侵入を防ぐためには、建物全体を一つとして考える必要があります。

 

ハウスメーカーごとに防水構造が異なる

共栄工業では、これまで以下のようなハウスメーカー住宅の防水改修を行ってきました。

・積水ハウス
・ヘーベルハウス
・ダイワハウス
・パナホーム
・ミサワホーム
・トヨタホーム

一口にハウスメーカー住宅といっても、防水構造や下地、排水方法、笠木などの納まりはメーカーごとに異なります。

さらに、同じハウスメーカーでも、建物の種類や建築時期によって仕様が異なることがあります。

例えば、ハウスメーカー住宅の防水改修では、次のような点を確認しなければなりません。

・独自に設計された側溝の形状
・ALC下地の位置
・鉄骨や下地鋼材の位置
・ビスを確実に固定できる場所
・既存防水層の構成
・既存塩ビシートを残せるか
・既存防水を全面撤去する必要があるか
・外壁や笠木との取り合い
・既存ドレンの種類と排水構造

塩ビシート防水の機械固定工法では、固定用ビスを確実に下地へ効かせる必要があります。

ところが、ALCや鉄骨の位置を確認せずに一般的なビスで固定しても、下地に十分な固定力が得られないことがあります。その状態では、施工直後は問題がないように見えても、風圧やシートの収縮などによって、後からディスクや塩ビ鋼板が浮く可能性があります。

当社が施工してきた中では、特に積水ハウス、ヘーベルハウス、パナホームは、独自の納まりや事前に確認すべき項目が多いと感じています。

ヘーベルハウスについても、建物の種類や既存防水の構成によっては、既存の塩ビシートを全面撤去しなければ適切に改修できないケースがあります。

メーカー名だけで工法を決めるのではなく、建物ごとの構造と現在の状態を確認することが重要です。

※側溝特注鋼板

※(左)床面長さ100㎜以上(右)既製品鋼板

 

建物の状態によって適切な防水工法は変わる

ハウスメーカー住宅だからといって、すべての建物に同じ防水工法を採用できるわけではありません。

築年数が比較的浅く、既存防水や下地の状態が良好であれば、塩ビシート防水の密着工法を採用できる場合があります。

一方、経年劣化が進んでいる場合は、既存防水の影響を受けにくい機械固定工法を検討します。既存防水や下地の劣化が著しい場合には、防水層を全面撤去してから新しい防水を施工しなければならないこともあります。

共栄工業では塩ビシート防水を第一に検討していますが、すべての建物に同じ工法を勧めているわけではありません。

建物の状態やお客様の予算によっては、ウレタン防水をご提案することもあります。また、既存防水の状態が良好であれば、必要な部分を補修して防水層の寿命を延ばす「延命防水プラン」も選択肢になります。

重要なのは、最初から工法を決めて現場へ当てはめるのではなく、現地調査をしたうえで建物に適した工法を選ぶことです。

 

塩ビシート防水を施工できる職人が限られる理由

ハウスメーカー住宅の屋上やバルコニーには、塩ビシート防水が採用されていることがあります。

塩ビシート防水では、シート同士を熱風で溶着し、シートを一体化させます。施工には専用の熱風溶着機や工具が必要となり、ウレタン防水とは異なる技術と経験が求められます。

特に技術差が出やすいのが、次のような部分です。

・ドレン周辺
・入隅、出隅
・立上り部分
・シートの重なり部分
・塩ビ鋼板との接続部分
・端末部分
・複雑な役物周辺

ドレン周辺は細かい熱風溶着作業が集中するため、職人の技術が仕上がりに表れやすい部分です。

立上り部分についても、職人の経験によってシートのシワや収まり方に差が出ます。平場をきれいに施工できても、役物や端末まで確実に施工できるとは限りません。

当社では、塩ビシート防水を専門的に経験しても、一人で安定した施工を任せられるようになるまでには3年程度必要だと考えています。

 

「塩ビシートを張れる」と「ハウスメーカー防水を理解している」は別

塩ビシート防水を施工できることと、ハウスメーカー住宅の防水改修を適切に行えることは同じではありません。

当社では、「塩ビシート防水に対応できる業者」と「ハウスメーカー住宅の防水改修を任せられる業者」には、塩ビシート防水とウレタン防水ほどの違いがあると考えています。

一般的な塩ビシート防水では、メーカーが用意している既製品の塩ビ鋼板や役物を使用して施工することが基本です。

しかし、ハウスメーカー住宅には既製品だけでは適切に納められない場所があります。

そのような場合には、現場の形状に合わせて塩ビ鋼板の幅や曲げ角度、立上り高さ、長さなどを変更しなければなりません。また、ALCや鉄骨などの下地位置に合わせて、使用するビスの種類や長さも検討する必要があります。

カタログに記載された標準仕様を施工できるだけではなく、現場を確認して完成後の納まりをイメージし、それを実際の施工に反映できることが重要です。

防水面だけを見るのではなく、笠木、外壁、サッシ、腰壁、パラペット、フェンス支柱、ドレンなどを含めて、雨水がどこから入り、どこへ排水されるのかを考えなければなりません。

 

実際に見られる防水工事の不具合

共栄工業では、他社が施工した防水工事の不具合についてご相談をいただくこともあります。

実際に確認した事例には、次のようなものがあります。

工事後1か月で入隅の塩ビ鋼板が浮いた

入隅部分に取り付けられた塩ビ鋼板が、工事完了から約1か月で浮いてしまっていた事例です。

下地の種類や位置を確認せず、ビスが十分に効いていない状態で固定されていた可能性が考えられます。

ハウスメーカー住宅では、見た目だけでは下地位置を判断できないことがあります。固定する場所と下地に合わせて、ビスの種類や長さを選ぶ必要があります。

※シートの浮き

※入隅固定ビスの浮き

塩ビシートの上に不適切な塗装が施工されていた

既存の塩ビシート防水の上に、適合性が確認できない塗料が塗られ、塗膜が剥がれていた事例もあります。

既存防水の種類を確認せずに塗装や補修を行うと、材料同士の相性によって早期に剥がれたり、防水層を傷めたりする可能性があります。

端末シーリングの裏側が空洞になっていた

端末部分にシーリングが打たれていても、その裏側が空洞になっているケースがあります。

必要な箇所にバックアップ材などを入れずにシーリングを施工すると、適切な圧力でシーリングを押さえることができません。十分な接着面や厚みを確保できず、口開きが起こりやすくなります。

表面だけを見ると施工されているように見えるため、完成後の見た目では判断しにくい不具合です。

※ボンドブレーカーやバックアップ材を適切に取り付ける

 

改修用ドレンの納まりが適切でない

改修用ドレンは、既存ドレン周辺からの漏水を防ぐために有効な部材です。

しかし、どの建物にも取り付ければよいわけではありません。既存ドレンが防水層と一体になっているなど、改修用ドレンを取り付ける必要がない場合もあります。

既存の排水構造を理解せずに施工すると、排水能力が不足し、数年後にオーバーフローを起こす可能性もあります。

笠木を外したら下地が腐食していた

表面からは大きな問題が確認できなくても、笠木を撤去すると内部の下地が腐食していることがあります。

この状態を確認せず、表面だけ防水しても、下地の劣化や内部への雨水侵入を解決できません。

ハウスメーカー住宅の防水改修では、必要に応じて笠木を撤去し、内部まで確認することが重要です。

不適切な工事のやり直しは、最初の工事より高くなることがある

防水工事は、施工直後の見た目だけでは良し悪しを判断しにくい工事です。

下地への固定力不足や端末処理の不備は、工事直後には問題がなくても、数か月後や数年後にシートの浮き、端末シーリングの口開き、漏水などとして現れることがあります。

一度施工した防水をやり直す場合、新しく施工した防水層を撤去しなければなりません。

そのため、最初に施工した防水工事費に加えて、撤去費用、廃材処分費、下地補修費などが発生します。結果として、最初の工事よりもやり直し工事の方が高額になることも珍しくありません。

見積金額だけで業者を選ぶのではなく、既存構造を理解したうえで適切な仕様を提案しているかを確認することが大切です。

防水工事の見積書で確認したいポイント

ハウスメーカー住宅の防水工事を依頼する際は、見積書に次の内容が記載されているか確認してください。

・採用する防水工法と、その工法を選んだ理由
・既存防水を残すのか、撤去するのか
・密着工法の場合、下地状態が良好であることを確認しているか
・使用する塩ビ鋼板の種類、形状、寸法、長さ
・使用するビスの種類や長さ
・入隅、出隅、端末、ドレンなどの施工方法
・笠木や外壁との取り合い方法
・保証年数と保証対象範囲
・施工中の写真を記録するか

注意が必要なのは、平米単価の中に塩ビ鋼板、端末処理、役物、ドレンなどがすべてまとめられ、具体的な施工内容が分からない見積書です。

塩ビ鋼板について記載がない場合や、建物の形状を確認せず既製品だけで施工する内容になっている場合も、どのように納める予定なのか確認した方がよいでしょう。

防水工事は、完成するとシートで隠れてしまう部分が多くあります。

完成後の写真だけでなく、塩ビ鋼板の取付け状況、ビスの固定状況、ドレン周辺、端末の下地処理など、シートで隠れる前の施工写真を残してもらうことも重要です。

※入隅鋼板の取付状況と固定ビス長さのメモ書き

※入隅塩ビ鋼板とディスク取付状況

※固定ビスの種類、長さ、太さの選定が重要

下請け施工だから悪いとは限らない

見積もりや契約を行う会社と、実際に防水工事を行う施工会社が異なることもあります。

下請け施工だから品質が悪いということではありません。重要なのは、実際に施工する会社や職人に、塩ビシート防水とハウスメーカー住宅の施工経験があるかという点です。

また、元請け会社が建物の構造や防水の納まりを理解し、施工会社へ適切な指示を出せるか、工事中に必要な検査を行えるかも確認する必要があります。

見積もりを依頼する際には、次のような点を聞いてみてください。

・実際に施工するのはどの会社か
・同じハウスメーカー住宅の施工経験があるか
・塩ビシート防水を日常的に施工しているか
・現場管理と施工後の保証は誰が担当するか
・施工中の写真を提出してもらえるか

共栄工業が目指すのは、保証期間を超えて長持ちする防水工事

共栄工業では、特定のメーカーに偏らず、さまざまなハウスメーカー住宅の防水工事を年間約40〜50件施工しています。

当社では塩ビシート防水を中心にご提案していますが、建物の状態やご予算によっては、ウレタン防水や延命防水プランもご提案します。

重要なのは高額な工法を選ぶことではなく、現在の建物に必要な工事を見極めることです。

塩ビシート防水には、仕様によって20年から最長30年程度の耐用年数が期待できる製品があります。

しかし、シート自体が長持ちしても、端末部分に使用するシーリングが同じ年数持つとは限りません。実際には、塩ビシート本体よりも先に端末シーリングが劣化し、口開きや漏水につながることがあります。

そこで共栄工業では、端末シーリングを雨水や紫外線から守り、防水層を長期間安定させることを目的として、オリジナル端末金物を製作しました。

また、ハウスメーカー住宅の特殊な形状に対しては、既製品だけで無理に納めるのではなく、現場に合わせた特注塩ビ鋼板を使用しています。

一般的な防水工事の保証期間は10年ですが、防水材料自体はその先も使用できるものです。

共栄工業では、10年間不具合が起きなければよいという考えではなく、自分たちが施工する以上、可能な限り20年、30年先まで持たせることを目標にしています。

一度の工事を長持ちさせ、建物を所有している間に必要となる防水工事を一回でも減らすことが、結果としてお客様の負担軽減につながると考えています。

まとめ

ハウスメーカー住宅の防水工事では、塩ビシートを張る技術だけでなく、建物構造、既存防水、下地位置、笠木、外壁、サッシ、ドレンなどを含めて判断する知識と経験が必要です。

塩ビシート防水に対応している業者であっても、ハウスメーカー住宅の防水改修まで適切に対応できるとは限りません。

業者を選ぶ際は、金額だけで判断せず、同じハウスメーカーの施工経験、塩ビ鋼板やビスの選定、外壁との取り合い、施工写真、保証内容まで確認することをおすすめします。

ハウスメーカーから提示された防水工事の内容が適切なのか確認したい方、ハウスメーカー以外の専門業者でも施工できるのか知りたい方は、有限会社共栄工業までご相談ください。

建物の種類、築年数、既存防水の状態を確認したうえで、必要な工事とできるだけ負担を抑えた改修方法をご提案いたします。

 

採用情報
防水工事・シーリング工事は神奈川県横須賀市の有限会社共栄工業へ
有限会社共栄工業
〒239-0812
神奈川県横須賀市小原台12-8
TEL/FAX:046-842-4841 

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